金融危機のメリット 2009 2 15
最近は、金融危機の負の側面ばかり強調されていますが、
2月14日の日本経済新聞にあるように、プラスの面もあるのです。
金融資本主義全盛の時代は、「ものを言う株主」や「ファンド」が、
企業に対して短期的な利益や配当を要求しましたが、
金融危機で、そういう株主は沈静化したのです。
これで、やっと長期的視野に立つ経営ができるようになったと思います。
金融資本主義全盛の時代は、「長期的な経営戦略」と言うと、
馬鹿にされる雰囲気があったのです。
「短期の利益を求めるのが正しいのだ」という雰囲気があったのです。
私は、数年前から四半期決算は止めるべきであると主張してきました。
これでは、どうしても経営が近視的な経営になってしまいます。
四半期決算が続くならば、上場しているメリットを感じなくなります。
株式を非公開にして、長期的視野の経営をしたいと考える企業も出てくるでしょう。
現実に、上場していない企業で、優良企業があります。
株価原理主義、四半期決算は、企業を疲弊させてしまいます。
これは、長期的に見れば、投資家にとっても、損です。
アメリカ型社会 2009 1
31
2004年に「アメリカ型社会は日本人を不幸にする」という本を、
このサイトで取り上げました。
当時は、新自由主義や市場原理主義が全盛の時代で、
誰も聞く耳を持たなかったのです。
公平中立であるべき学者や言論人ですら、
「新自由主義、万歳。市場原理主義、万歳」と叫んでいるような状態でした。
まるで、戦前の「大日本帝国、万歳」と同じような雰囲気で、
全体主義、ファシズムの復活を思わせるような勢いでした。
それでも、私は、折に触れて、何度も何度も、この書評を掲載しました。
2004年ごろから、拝金主義に警鐘を鳴らし始めたのです。
書評 book review 2004 7
23
書名 アメリカ型社会は日本人を不幸にする
著者 ビル・トッテン 大和書房
少し悲観的だと思います。
たとえば、こういう文章があります。
「こういう社会では、カネが唯一の価値観になる。
そんな大人の姿を見せておいて、
子供に『お金よりも大切なものがある』と教えたところで、
信じろという方に無理がある。」
確かに、アメリカは、こういう「拝金主義」のようなものがありますが、
アメリカ全体では、そうなっていません。
「拝金主義」は、アメリカの半分ぐらいでしょうか。
まだまだ、アメリカの良心は、健在だと思います。
しかし、問題なのは、こういうことです。
「帰国して、書店に行った時も、しばしば不愉快な気分を味わわされる。
再販制度をなくし、過当競争を招いたアメリカでは、
本は売れ筋のもの、つまり、暴力とセックスを扱うものが中心になってしまったからだ。
これでは、子供たちは、たまらない。」